がんばれ!ノザワくん
雨漏り?は、おさまる気配がない。

最初は、ノザワくんの机の上だけだったのが、そのうち、床にまで広がってきた。雫が落ちるペースもだんだん速くなるし…大丈夫か、あの天井?

「お~、すごいね~」

アフターサポート担当の契約社員、セトウチさんが、のんきに天井を見上げてる。

「あの天井、落ちそうだよね~」

「ええっ!?」

よねちゃんがあわてて上を見た。…確かに、天井がゆがんでるな。

「あそこから、水が落ちてきたら、おもしろいよね。ドリフのコントみたいで」

…セトウチさん、のんきなもんだな。

それを聞いたはとりんが、どこかから、ビニール袋を大量に持って来た。

「他のものはいいとしても、パソコンだけは、死守しましょう」

というわけで、ノザワくんのパソコンをはじめ、はとりんとよねちゃんのパソコン本体も、ビニール袋に入れることに。

「ハットリさん、ディスプレイはどうします?」

よねちゃんが聞くと、

「壊れたら、買い換えます」

と、はとりん。

…買い換えるって、簡単に言ってくれるよな。まあ、ノザワくんが赴任してきた頃から、「もっと大きなディスプレイにしたい」って言ってたけど。



「ノザワ課長の頭上に落っこってきたら、おもしろいだろうな~!はっはっは」

そう言ってるのは、アフターサポート担当のアーマ課長。…こっちものんきだな。あの天井落ちてきたら、アーマ課長の席も打撃被るだろ。

「でも、ノザワ課長は、来週の月曜日じゃないと出勤してきませんよ?」

よねちゃんがそう言った。

「じゃ、机の上に、花でも生けておくか」

…なんだそりゃ。わけわからんぞ。
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