がんばれ!ノザワくん
その水滴が…

時間が経つごとに、落ちてくるまでの感覚が短くなってきた。

最初は30分に1滴だったのが、昼過ぎには15分に1滴に。

ノザワくんの頭上だけでなく、他のところにまで被害が及んできたので、結局ノザワくんは、はとりんの席に避難した。

「所長の席の方がいいんじゃないですか?」

よねちゃんがそう言うと、

「いや、あんな偉そうなところじゃなくていい」

と、控えめだ。

まあ、ノザワくんも、今年やっと課長になった人だからな。

で、朝片付けたバケツやら洗面器やらを再び事務所に持ち込んで、水を受けてたんだ。

「でも、よかったですね、課長。今日の水は透明ですよ。落ち始めた時は、コーヒーみたいな色でしたから、Yシャツ染まってましたよ」

床掃除をしながら、よねちゃんがそう言った。

「そっか。じゃあ、俺、夏休みに入ってて正解だったんだな~」

…そういう問題なんだろうか。
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