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子機




それから、子機との生活が始まった。



子機っていうのは、家の電話の子機。



当時、


そんな女の子がいっぱいいたと思う。



かかってきた電話をお父さんに取られたくないって思いながら、


1回のコールで電話に出られるように。



11時を過ぎるまでお風呂にも入れなかった。





メールがあったらなぁ・・・・・・


携帯があったらなぁ・・・・・・



せめて、ベルがあったら・・・・・・




ベルと言うのは、ポケットベル。 


最初の頃のベルは、文字が入らず・・・・・・




おはよう=『084』

みたいな。




そのうち文字が入るようになり、あ=11 い=12・・・みたいな感じで。



好きって入れたいなら 『3322』ってダイヤルすると相手のベルに『スキ』と送られる。





そのベルすらなかった高校1年生の春。




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