四季〜二人で歩む季節〜


もしかしたら、あたし以外にも合鍵を渡している女がいるんだろうか?


そんな事はないと信じたいけど、今日の出来事でレンの気持ちがますますわからなくなった。


「…っ……っ…」


涙がとめどなく流れてくる。


心の何処かで、あたしだけは特別だと思っていたけど、それはあたしの勝手な自惚れ。


何か一歩を踏み出そうと思った気持ちが、今は悔やまれるばかりだ。


夏の終わりを告げるように、涙で濡れた頬に少しだけ冷たい風が吹いた。
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