四季〜二人で歩む季節〜

突然の来店

相変わらず、あたしはお店と家の往復をして、たまにお客さんと同伴をしたりしている。


やっぱり朝晩はまだまだ冷えて、人肌が恋しい。


いつになったら毛布にくるまって過ごす夜が終わるんだろう。


「ミユさん、お願いします。」

「はい。」


今日もあたしはあっちこっちのテーブルで笑顔を振り撒く。


少しだけお酒の量が増えた気がするけれど、それには気付かないフリをする。


あの夢はあれからまだ見ていない。


「ミユさん、今日ちょっと話聞いてもらえますか?」

「うん、いいよ。」


新人の和香ちゃんは、最近あたしや真琴に懐いていた。
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