四季〜二人で歩む季節〜


“捨てられたら”、つまりは母親はあの男にお金を貢いでいるのだろう。


そんな事はわかりきっていたけれど、そんな母親にお金を渡し続けていた自分の馬鹿さにもほとほと呆れはてる。


でも、あたしはやっと現実を見れた気がした。


結局、母親はこんな人なんだと。


どっと疲れてしまったけれど、自分を奮い立たせあたしはまた仕事に戻った。


木々たちはすっかり紅葉した葉を落とし、もう目の前に冬が来ている。


寒さを肌に感じながら、もう母親に苦しめられまいと決意した。
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