左手は常闇を這う【短編】


大抵の場合、雨によってもたらされる私の不機嫌は病から来るもので、どんよりとした空同様に私自身もどんよりとしたまま一日を過ごすこととなる。



そして“彼”は、そんな私を見ることで、どんよりとするのだ。
だから、雨が降れば降るほどに二人は無口になり、会話をすることもなければ、目を合わすことすらしない。


互いに同じ空間に佇みながら、別々の時を刻む。




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