Melody Honey

お見合い

お見合い当日。

某ホテルのロビーで、私はお見合いの相手を待っていた。

待っている私の心は憂うつだった。

桐生と話をすることができなかったからだ。

彼との間にできた壁は、壊すことができないまま。

彼と離れてしまった距離は、埋まることができないまま。

私は、本当にどうすればいいのだろう?

泣きたい気持ちがあふれてきたその時だった。

「あれ、弘前じゃん?」

その声に顔をあげると、スーツ姿の男が私の目の前にいた。
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