Melody Honey
「――詩音…」

何もできない私は、彼の名前を呼び続けることしかできない。

こんなにも触れられているのに、触れて欲しいって言っている。

もっと触れてって、躰が言っている。

詩音を欲しがっている。

私って、こんなにも欲張りだったの?

そう思ったけど、躰が詩音を欲しがっていることには変わりはない。

「そろそろ限界なんだろ?」

脚の間から顔をあげたかと思ったら、詩音が言った。

「俺が欲しいんだろ?」
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