Melody Honey

甘い指先

詩音が予約したホテルの部屋で、私たちは2人で過ごしていた。

「本当によかったの?」

私はバスタオルで髪をふいている詩音に聞いた。

「さっきからそればっかり聞くな」

そう言って、詩音が私に視線を向けてきた。

バスローブの隙間から、年齢に似合わない鍛えられた胸板が見えた。

ちょっと待て、はだけ過ぎにも程があるんですけど。

「聞いてる?」

そう聞いてきた詩音を見ることができない。

「な、何が?」

鼻血が出てきそうなのを感じながら、私は聞き返した。

「さっきから俺が実家に泊まらなくてもよかったのかって、聞いてくるから」

「あー、うん…」

それ以前に、胸板が見えて困っているんですけど…。

誰か、バスローブから見えるその胸元を隠して!
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