Melody Honey
「まあ、結構気に入ったけどな」

桐生がニヤリと笑いながら言ったと思ったら、
「は、はあ?」

私を抱き寄せた。

至近距離とも言えるくらいの近い距離に、桐生の整った顔がある。

官能的とも言えるくらいの厚い唇が、今にも私の唇と触れそうだ。

その至近距離と唇に戸惑っていたら、
「頬の傷の代償、忘れてんじゃねーぞ?」

桐生が言った。

「えっ?」

頬の傷って何のこと?

そうだ、私がシャープペンを投げたせいで桐生の頬に傷をつけたんだ。
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