Melody Honey
それを飲み込まないようにと抵抗をしていたのに、舌が口の中をなでてきた。

わずかな私の抵抗は、すぐに崩されてしまった。

ウイスキーを含んだキスはさらに激しさを増して、それに耐えることができなくて、私はウイスキーを飲んでしまった。

口の中で温められたウイスキーが喉を流れて行く。

私がウイスキーを飲み込んだことを確認すると、唇が離れた。

「――けほっ…」

軽く咳き込んだ私に、
「味はどうだ?」

桐生が聞いてきた。
< 72 / 288 >

この作品をシェア

pagetop