Melody Honey
「あおい」

男が私の名前を呼んだ。

彼が呼んだ“あおい”は、私の名前である。

「弘前あおい(ヒロサキアオイ)、それがお前の名前だろ?」

男が言った。

…私、いつ彼に自分の名前を名乗ったの?

ショックにショックが増して、もはや立ち直ることができない…。

いや、立ち直ること自体も難しくなってきた。

そんな私に男はニヤッと笑うと、
「ごちそうさま」
と、一言言った。

「さ、最低ッ!」

私は男に向かって手元の枕を投げつけた。
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