恋する星曜日~Pure Love Story~
あたしが泣いている間、カイト先輩は子どもをあやすように、あたしの背中をトントンとたたいてくれていて。

聴こえてくるのは、ザザーン、ザザーンと規則正しく寄せては返す波の音と、トクントクンと波打つ先輩の鼓動。


海風が運ぶ、潮の香りに包まれて。


あたしは、先輩の背中に回した手にキュッと力を入れた。

その時、先輩の手もふっと止まって。

それから、先輩も、あたしをギュッと抱きしめてくれた。



ザザーン、ザザーン。

トクン、トクン。



15歳の、新緑の季節。


優しい星空の下、温かいぬくもりの中で……


あたしは初恋に、サヨナラを告げた。

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