半径1メートルの悲劇
教室に戻るとHRが始まっていた。
高岡は何事もなかったかのように、本を読んでいる。
「井野!
どうして遅れたんだ!?
言ってみろ!」
ハゲの野郎・・・
高岡はどうなんだよ!?
俺より早くてもHR始まってただろ?
「・・・トイレ行って迷子になってました。」
「「「アハハハハ・・・」」」
生徒も先生も笑っている。
これでいいんだよな?
高岡・・・
高岡のほうへ顔を向けると、必死になって笑いをこらえていた。
光樹みたいだった・・・
少しだけ、高岡との距離が縮まったような気がした。