ただ君の側にいたかった…
そんな覚悟をした俺をよそに、7月のある日、涼が家に来た。

俺「俺は男を家に連れ込む趣味ねぇぞ」

涼「俺もねえよ!」

俺「じゃあどうした?」

涼「俺みぃこに振られちまった」

俺「…は?嘘だろ?!」

涼「嘘じゃねえよ」

俺「お前がビビって先延ばしにしたからだろ。愛想尽かされたんじゃね?」

涼「なんとでも言えよ。今日は陸に頼みがあって来たんだ」

俺「ん?なんだ?」

涼「みぃこを守ってやってほしいんだ。あいつ危なっかしいからさ」

俺「別にいいけど、お前はそれでいいのか?」

涼「なんか気まずくて顔合わせづらいんだよ。立ち直る時間が欲しいし」

俺「女々しい奴だな」

涼「うるせえよ。てか、陸まだみぃこの事好きか?」

俺「は?なんだよ急に?」

涼「みぃこは陸が好きな気がするんだよ。だからまだ気持ちがあるなら幸せにしてやってくれよ」

俺「お前はバカか。俺彼女いるし」

涼「そういえばそうだったな。とにかく頼むわ」

涼はそれだけ言うと帰って行った。

まさか涼が振られるだなんて考えていなかった俺は、驚きの余りしばらくの間放心状態だった。
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