Sugar→


「あ、すみません。使っているライターが同じ物だから驚いてしまって…」

嘘は付いていない…

真実なのだから



『紫陽花…此処は良く見えて、綺麗なんですよね…』

女性は全く気にもしてない様子で
話を遮った…


同じライター
同じ煙草
同じ紫陽花が…
『私…』



『サオリっていいます…宜しく、ね?』





…?




考え事をしていたから
反応出来なかった


名前…?


何が宜しいんだ…?



流石に状況理解が
追い付かない…


『え、あ…はい。宜しく』



『アヤさん、良かったら…近いうちに機会を作って、話しませんか…?』


『えっと、はい…大丈夫ですよ?』



一方的に伝えられて
返事も無いまま


女性は消えるように

居なくなった…
< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop