本庁
第17章
     17
 江ノ島に着くと、辺り一帯はとても蒸し暑い。


 山口と安川、それに新宿中央署の警官たちが美和子を探し始める。


 すでに逮捕状は取ってあり、発見次第、身柄を拘束される手筈だった。


「佐田君」と皆が呼ぶが、美和子はそこにはいないらしく、返事一つ返ってこない。


「佐田君」


 山口が大声で叫んだ瞬間、美和子がビーチから離れた場所で、自分のオートマをこめかみに当てて、今にも撃とうとしているところが見つかった。


「おい、何やってんだ」


 安川がそう言うと、美和子が、


「来ないで」


 と言った。


 そして銃を山口たちに差し向ける。


 山口も安川も拳銃の携帯が許可されていたので、持ってきていた。
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