王様ゲーム〜俺とお嬢さんだけの甘く危ない罰ゲーム〜

明るさに救われて

いつの間にか、あたしは探偵事務所から飛び出して、川沿いを歩いていた。



先生は、何も声をかけてはくれなかった。



お父さんのお通夜は、先週あった事だけは教えてくれた。



あたしは、親不孝なのかもしれないと周りに思われてるかもしれない。



「……」



川沿いでは、子供が遊んでいる。犬を連れて……



あたしは、川沿いの草村で、背中を丸めながら腰を下ろす。


不意に、あたしの顔に影が出来る。



「あ……」



「久しぶりで~す」



明るい声の美羽ちゃんだった。
美羽ちゃんは、両手にネコを抱えている。



可愛いネコは、なんだか美羽ちゃんに抱っこされて嫌そうだ。



「懐いてくれないんですよ」



なんて言いながら、美羽ちゃんは、ネコの頭を撫でている。
< 130 / 211 >

この作品をシェア

pagetop