王様ゲーム〜俺とお嬢さんだけの甘く危ない罰ゲーム〜
美羽ちゃんの頭の上で、ネコは暴れ出し美羽ちゃんから離れてしまった。



「ニャーニャー!」



怒っているように鳴いている。



「イヤな事すれば、ネコの気持ちだって分かると思うんです」



「?……」



「人間も、観察して見て下さい!きっと良い人だって分かると思います」



何を……



「誰の事を言っているか分かりますか?」



美羽ちゃんは、真剣な表情であたしを見つめる。



なんで、美羽ちゃんがそんな事を言うのか分からない。



多分、あたしよりも年下の彼女の言うことが良く分からなかった。



「きっと……手紙渡せなかったのは……鈴さんが……っ……傷付くから!!」



立ち上がって、美羽ちゃんはそう叫んだ。



「なんで……手紙」



「私が手紙を知ってるのが、不思議ですよね」



美羽ちゃんはそう言ってにっこり笑った。



「私の家ヤクザなんです。お母さんの再婚した相手が、眼帯男さん……義理の父親が、ヤクザの組長の息子で、若頭なんです」



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