王様ゲーム〜俺とお嬢さんだけの甘く危ない罰ゲーム〜
なのに今は、王様ゲームでもない。だから、余計にあたしの心臓が早くなる。



「せ、んせい?」



「イヤなら良いんだぜ?お嬢さん」



どうしょう。恥ずかしいよ……



あたしは、エプロンの端をぎゅっと握り締める。
先生の唇が、あたしに近付いてくる。



そう思って目を閉じる。だけど、先生はあたしに何もしてこなかった。



「せんせ、い?」



目を開け、先生を見上げる。もうそこには、誰も居ない。



先生は、台所からすぐそこの部屋に移動していた。



「え?!」



先生は、カレーを食べながらテレビを見ている。あたしの声に耳を塞ぐまねをして、あたしに手招きした。



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