ほどよい愛
「大賞受賞おめでとう!」

市橋家のおばさん。というより詩織さんと呼ぶ方がぴったり。

…の音頭で始まったお祝いは、既に数時間がたった。乾杯も何回したことか…。

透の受賞のお祝いに加え、更におめでたい事があった。

私と同じくお酒に強い透の隣りには、私達に負けないくらいに飲んでいる女性。

「千尋、飲み過ぎじゃないか?」

「だって透とこうして飲めるの久しぶりだから嬉しいんだもん」

「はいはい。わかったから。とりあえず水飲んで休憩な」

「え~!」

ちいちゃんの言葉は無視してさっさとお酒の入ったグラスを水に取り替える透。


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