ほどよい愛
……それなのに。

どうして今晩は私の部屋に泊まるなんて言ってるんだろ。
付き合っているわけじゃないけど、お互い近くに存在していて、体は重ねて。

恭汰?
なんで急に?

いつもと違う恭汰の行動に、私は戸惑いながらも今日会えた事を嬉しく感じてしまう。
そしてその反面、
恭汰へ傾いていく気持ちを抱えながらそれを必死で抑えようともがいている自分の心。

これ以上は、近くに行っちゃだめ…。
いつか恭汰が離れた時に、悲しみでつぶれないよう。

近くに行っちゃだめ。
もう、あんな悲しみを乗り越えられるほどの気力は…ない。

きっと、もう一度同じ悲しみがやってきたら
私は壊れてしまう。

私の中のある部分は、既に壊れているけれど。
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