ほどよい愛
玄関にスーツケースを置いたまま、模型をリビングのテーブルにそっと置く。

包んでいた布を外してぼんやりと眺めると、自然と頬が緩んでくる。

この家に二人で住めたらいいな…。
恭汰の『未来』も素敵だけど、私は和風の切妻がいいんだ…。
縁側でのんびり膝枕をしてあげながら、晩ご飯の話なんかをして…。

ふふ。

表札。気付いてくれるかな。とりあえず目立つように、縮尺を変えて大きな表札にしてみたけど…。

私の夢…気付いてくれるかな。
叶えてくれるかな。

ソファにもたれてぼんやりしているうちに、夕べ眠ってないせいかどんどん瞼は下がってきて…

恭汰を待つつもりなのに眠ってしまった…。
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