ほどよい愛



会場に入ると、いくつものフラッシュを浴びた。

傍らの恭汰の腕に掴まり、隠れるように中に入った。

「凄いね…。やっぱり恭汰と透の作品のせいかな」

「それもあるけど、俺と葵の婚約も大きいだろ」

「え?」

「仁科圭と明日香の息子が大賞取って、その妹と俺が結婚するんだから、そりゃ話題にもなるだろ」

淡々と言いながらも軽く笑っている恭汰。
確かにそうかもしれないけれど、予想以上の騒ぎのような気がする。

それに、恭汰って。

「騒がれたりするの嫌いだよね…?」

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