ほどよい愛
「あ、今年の設計デザインコンクールの大賞の作品の連絡がさっききたよ」

「ん?そんな時期か」

「それがね。作品名聞いてびっくりよ」

「何?」

じっと俺を見て、少しためらいがちに

「…『未来』だって。恭汰が受賞した年と同じ24歳の男性」

「……」

「相模恭汰の再来か?って協会じゃすごい話題らしいよ」

「再来って…俺まだ現役だって」

「はは。そうだよね。でも、気になるよね」

「まあな」

大賞受賞作の『未来』

俺にとっては苦い思い出でしかない。

それを再び思い出して、ぐっと沸いてくる焦燥感。

けれど、そんな気持ちを消してくれる葵の存在が、俺を救ってくれる。

葵…俺がどれだけ惚れてるか。

…そろそろぶつけていいか?


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