彼女の嘘と俺の嘘
「わかった」
「まずは座って!」
サキは傍らの背凭れのない椅子を顔の正面が向き合う位置にずらした。
「ビジネスホテルのような部屋だね。やっぱりお嬢様なんだ」
おれは冗談めかして言う。
サキのいる病室は個室で、テーブルや応接セットもある。
ベッドとおれが座った椅子の簡素なデザインだけが病院らしさを引き出していた。
「もう、お嬢様じゃないってば!」
サキはおれの肩を軽く叩く。
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