彼女の嘘と俺の嘘


 サキはおれのような男に声をかけられるのを待っていたのだろうか?


 いや、言い方を替えればおれのような男にさえ、声をかけられるのを待っていたのだ。


 相手をしてくれる異性を。


 それには理由があるはず。


 寂しがるだけの材料が、サキにはあるはず。


 おれはチャットした会話文を保存して、今回感じたことをノートに記した。


 すべてはサキのために……。


 サキ……君の秘密を知りたくなったこの感情は罪なのかな?

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