彼女の嘘と俺の嘘
顔も知らない見ず知らずの男女がパソコンの仮想空間の中で関係を築いても長続きするとは到底思えないが、サキを宥める方法は約束を取り付けるしかなかった。
愛想を尽かされるのを覚悟した。
『ほんとに?』
サキはようやく前向きな疑問符をつけて返事をしてくれた。
シバ> 約束する
『突然、いなくなったりしたらサキ死んじゃうから』
脅しともいえるサキの言葉を聞き、おれは完全に主導権を握られたことを痛感した。
おれに断る権利はないみたいだ。
でも、せめてサキに注意しなければいけないことがある。