元カレ教師


あたしは病室の前で立ち止まった。


なぜかあの場を立ち去った事を後悔し始めた。


あたしは間違った事をしていないはずなのに。


みやびちゃんは北条先生が好きだから。


みやびちゃんは、やっぱり何があっても北条先生が一番好きなはずだから。





目が覚めた時に好きな人がいてくれたらどれだけ幸せで安心するのか…よく知ってるつもりだった。


あたしは拳を握りしめた。


思い出す。


風引いて家で寝ていて、目が覚めた時に昴が家に来てくれた時の事。


あの時あたしは、大きな安心感を肌で感じた。


…まだ幼かったあの頃に感じた安心感を、今だに覚えている自分が皮肉に思えた。


みやびちゃんや阿紗子が北条先生を好きなのを知りながら、まだ彼が自分のものだった事を引きずっている。


改めて自分が最低に思えた。


それに、今だって、未来と阿紗子を置いてここまで来たのだ。


今頃二人はどうしているのだろうか?


もう帰宅して、さっき目の前で見た事のニュースでも見ている事だろう。


…ご免、二人とも、本当に…


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