元カレ教師


「…滝沢、全然取れてねぇぞ。」


そう言って北条先生はあたしの後ろに立って埃を払うのを手伝ってくれた。


あたしは…


ドキドキして手を動かす事が出来なくなった。


髪や背中に触れられる優しくて大きな手があたしの神経をおかしくしていた。


どうしたんだろ、あたし…


あたしは思う。


今のあたしは、2人の男の人にドキドキしたりときめいたりしている。


それも短時間の間に。


あり得ない。


今までずっと昴を引きずってきた。


まだ15歳だったあの卒業式。


あの日忘れると誓ったが、それでも忘れる事が出来なかった相手。


確かに、北条先生は昴である。


あたしの中では別人だけど、物理的にはそうなのだ。


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