先輩★内緒の片思い
真菜香はほっとした表情で、でもちょっと怒ったようなそぶりも含めて私の顔を見た。


ごめんね、真菜香。


私は真菜香に小さく肩をすくめてみせた。


すると、真菜香もわかってくれてみたいで、微笑んで小さく頷いてくれた。


親友だと、口に出さなくても目で会話できてこういう時便利。



でもね、私、南君のさっきのセリフ、まんま同じこと思ったことあるんだよね。


岸谷先輩の家での姿を毎日見られて、真菜香はいいなあって。


なんか、そういう点では私、南君に大いに共感できるんだ。




「それよりさあ、岸谷先輩って――」


南君はまだまだ岸谷先輩情報を聞きたいみたいで、それ以降も昼休みの間じゅう、真菜香を質問攻めにしていた。




< 78 / 388 >

この作品をシェア

pagetop