先生×自分
「もう考えるのも嫌なくらい…あの人が嫌いです」

「そっか。じゃ、チャンス到来だ」

は?チャンス到来?どういうこと?

「付き合っちゃえば、余計なことは考えなくてすむでしょ?」

余計なことに頭を使う溝川。
付き合っても、あんたが余計なことだから…変わりはしない。

「暗い気持ちでいたって、仕方ない。明るい気持ちになろうよ」

「そう…ですね、ありがとうございます」

そうだ。暗い気持ちでいたって、変わらないんだ。
明るい気持ちでいれば、変われるかも。
「よし、じゃあ寝よっか」

「はい」

ありがとう、溝川。あんたもたまには、いいこと言うね。
いつもだと、本当にありがたいけどね。
《信じる》

その言葉は、自分の中で既に消えていた。あの人を信じていた自分も。

―その言葉は、残酷な言葉なのかも―

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