殺人許可日
「ゆい…」

リビングには顔を真っ青にするお母さんとお父さんの姿。

「おはよう」

挨拶をしてダイニングのイスに腰掛けた。


「…ゆい、今からでも遅くないわ。…リタイヤしましょう。リタイヤできるのは、今朝の9時までなのよ?」


「ふふ。リタイヤなんて冗談じゃないわよ」


「ゆい!!いい加減にしなさい!」

怒鳴りつけるお父さんを冷ややかに見つめ口を開く。

「もう決めたの。早く避難してよね、パパ、ママ」

「ゆい………」


お母さんが震えながら差し出した朝ご飯を黙々と手を付けていく。


「大丈夫よ、パパ、ママ。あたし死なないから」


「ゆい……」


そう、あたしは死なない。

絶対死んでやるもんですか。

雪子ちゃんを殺して、すぐこの家に帰ってパパとママを待つわ。


だから、そんな不安そうな顔しないでよ。


早く、早く…始まらないかなーー。


開始まであと


1時間25分。

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