新!狼×天然【番外編】



それから焦る女は俺らに何回か謝って、一緒に来てた女数人とどこかへ行ってしまった。



女数人がいなくなると、俯いたまま彼女は『今日は帰る』と不機嫌な顔をして、1人で帰ってしまった。



その日家に帰るとメールが1件受信されてて、そこには彼女から

《今までありがとう。あの告白は無かったことにしてね。暇な日はまた遊ぼうね》ときていた。



俺はそれから何度か彼女からデートを誘われたけど、俺はそれを全部断った。



周りの今まで遊んでた女も断った。



それはたぶん………あの女のせいだと思う。





そう、あの女こそが。



ファミレスの中で目が合って、すぐに目を逸らした女こそが。



俺を睨んでた女こそが。



自分から話しかけてきたくせに、後から焦りだした女こそが。



今まで見たことがないくらい容姿が可愛かったあの女こそが。



…………実紅だった。



実紅が覚えてるかは知らねぇ。

きっと忘れてるだろう。



だけど俺は覚えてる。



今でも昨日のことのように鮮明に思い出せる。



きっと一生忘れないだろう。

あのときの、胸のときめきを。



きっとあれが、



俺の初恋だったに違いない。



【END】



.
< 16 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop