『契約』恋愛

「あー。やっぱりここにいたんだ。」


近づく足音ともに俺にかけられる声は、まさしく今考えていた女のもので。

ゆっくりと振り向けば、いつも通りの笑顔をたたえた雪乃と視線が絡んだ。


「何、俺のこと探してたの?」

「そりゃあ、カバン机の上に置いたまま今の今まで姿見なかったら心配するでしょーよ。」


あはは、なんて笑いながら、雪乃は俺の横に壁にもたれるようにして腰掛ける。俺も同じようにしてその場に腰を下ろした。


「どっかで倒れてんじゃね?とか言って、大志君笑ってたよ。」

「イヤ、それマジだったら実際笑えねぇから。」

「まあねえ。」


こんな何気ない会話を交わしている間、やっぱり雪乃はいつも通りで。 俺が感じていた違和感なんて気のせいだったんじゃないかって、そう思えてくる。
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