『契約』恋愛

不意に脳裏に浮かぶ、風春の笑顔。

よくモテるだけあって、ホントに格好良くて。私には勿体ないくらい優しくて。

みんなが思っているよりずっと、1人1人のことを見て、想ってくれる人…

…――私の、大好きな人。


「雪乃、お母さん下に戻るから。
何かあったら、すぐ呼んでね。」


誰も、傷つけたくない。

私の死は、みんなへの裏切り。

混沌とした、整理のしようがない私の思いは、困惑と矛盾を交錯させる。

わからない、わからない。
私自身がどうしたいのか、全くわからない

加速する混乱を止められない中、一瞬、視界がぐにゃりと歪んだ。
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