『契約』恋愛

side:/ KAZAHARU


“誰にも本気にならない男”

気がつけば、周りのヤツ等からそう言われるようになっていた。

確かにそう言われる通り、俺は“特別”を作ったりはしない。
っつーか、もともと“特定の彼女”なんて作る気はない。

所詮はみんな“他人”だ。
“他人”と“自分”の間には、越えられる訳のない一線があるじゃねぇか。
“他人”は“他人”であって、“俺”は“俺”。それはいつまでも変わらない、不変の事実。

いつ裏切られるのかわかったもんじゃねぇし、誰もが心の底から相手と向き合ってるとはかぎらねぇ。

そんなヤツ等とマジでつき合うなんて、基本的に無理。俺には到底理解できない。

それに必ず、いつかは訪れる別れ。
それを承知して他人に依存するなんて、バカげてる。
< 2 / 286 >

この作品をシェア

pagetop