『契約』恋愛
「えーっと…。聞いて気を悪くしないでほしいんだけど…」
「ぅん?」
不思議そうに揺れる佐山君の瞳に、私は単刀直入に尋ねる。
「佐山君の今までのつき合った人で、最短ってどれくらい?」
「は?」
驚きとも呆れともとれるような表情が佐山君に浮かぶ。と思いきや、屋上に響いたのは彼の笑い声で。
あれ…、何か私、変なこと聞いた?
笑いながらも「雪乃って変わってんな。」なんて言ってくれる佐山君だけど、私自身、何が変わっているのかわからない。