『契約』恋愛

side:/ YUKINO


真っ暗な視界の先、ほのかに輝きを放つ何か…

それを捕まえたくて
追いかけて。

でも追いかけるほどに、遠くなる。
いくら手を伸ばしても、そんな私を嘲笑うかのように、ゆらゆら揺れながら…

そして。
そのうち何も、見えなくなった。


――――――――…………
―――――………
――……



かすかに鼻腔をくすぐる、食べ物の匂い。ゆっくりと目を開ければ、明るい光と、見慣れない部屋の景色。

あぁ、さっきのは夢か…、なんて思いながら、自分の今置かれている状況を思い出す。

さっきのもあながち夢な訳でもないな、なんて思い直し、思わず自嘲的な笑みが零れた。
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