『契約』恋愛

side:/ KAZAHARU


「風春、ついに本命できたのか?」


休み時間、俺にそんなあり得ないことを聞いてきたのは。俺の前の席に座る、宮川大志。いわゆる、悪友ってヤツだ。


「は? 何言ってんだよ。俺に限ってそんなワケねーだろーが。何でんなこと聞くんだよ?」


そう、俺が本命なんて作るわけがない。
大志はそのことよく知ってるはずなのに。


「あー、いや、な? 最近お前青木と仲良いし、ついに本命できたのかと思ってたんだけど?」


訝しげな目で俺を捉え話し続ける大志に、俺は大きなため息をついた。
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