My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜



桂木所長は驚いた様子でそう言う私を見つめる。
私は少し緊張しながら話を続けた。


「…私が恋愛する気がないって言ったの、覚えてますか?」

彼は静かに頷く。

「明日、お話します。その話を聞いてから、それでもいいなら…」

全て言う前に、所長は私の頭を撫でながら話し出す。

「俺は早百合ちゃんの全てを受け止めるよ。だから、心配しないで話してね?」

それだけ言うと、私を車から降ろし、手を振って帰って行った。



―――まさか次の日から嵐に巻き込まれる羽目になるとは、このとき思ってもいなかった。

嵐がすぐここまで来ていたことに、今の私は気づくことなどできなかった。



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