My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜



マグカップに気をつけながら所長室の扉を開けると、早百合は机に伏せて眠っているようだった。

俺は起こさないように自分の席に向かい、静かにマグカップを置きたかったのだが机に足をぶつけてしまい、大きな音が響く。

案の定早百合は起きてしまった。

早百合は眠ってしまったことを詫び、マグカップを受け取る。
俺が話し出すのを待っているようだ。

咳払いをして、俺は話を切りだした。

「…驚かないでね?」



*****************


『長澤真人ってわかるか?』

二年前のある日、紫がいきなり俺に問いかけた。
記憶が間違ってなかったら、営業に配属された俺の同期だ。

『顔だけなら。そいつがどうしたんだ?』

紫曰わく、自分の部下の新人社員に手を出したが浮気だったことがばれ、こともあろうかその子を率先して無視しているらしい。

いい話は聞かない男だったが、これまでとは。

紫からこの話を聞いたときはその女子社員に興味を持ったが、すぐに忙しくなりすっかり頭から抜けてしまった。



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