悪魔の妹と天使の彼女
看護士から渡されたのは可愛らしい封筒に入った手紙だった。
俺はそれから病室に戻ってその手紙を読んだ。
『和也がこの手紙を読んでると言う事は私は退院してるか天国に行ってるって事だと思う。でも、和也といた事で私も生きる勇気を貰ったよ?和也と会う前は人生なんてどうでも良いと思ってたけど和也と出会った事で生きる楽しみが出来たんだよ。ありがとう。サリリとミエルとの件はお騒がせしてごめん。あれだけは反省している。これを面と向かって言うのは恥ずかしいから手紙にした。和也も早く怪我治しなよ?じゃあね。日菜より』
それを読んで俺も日菜とはもう会えないのかなと言う寂しさを感じた。
手紙を封筒に入れようとしたらもう一枚紙が入っていた。
「もう一枚紙が入ってる。」
そう思ってそれを開いた時、俺は何とも言えない恐怖心に襲われた。
もう一つの手紙にはこう綴られていた。
『こっちを読んだ和也はビックリするだろうけど、和也に何も告げずに別れるには嫌だから言っておくね?和也は天使。これからネユカと契約して、ちょっと力が戻ったとこでサリリと契約をし直す。でも、その天使の力を取り戻した時、悪魔と天使は全て消え去り、世界は大きな災いをもたらすでしょう。まあ、その辺りを良く考えて力を取り戻すかどうか考えてね。天使の和也。』
それを読んで何も言えなかった。
何故なら日菜が知るはずもない事実が書かれていたからだ。
「何で日菜は俺が天使だと言う事も、今から契約する事も知ってるんだ?それに災いって何なんだ?」
もう何がどうなってるのか分からなくなった。
そんな時、窓に何かが当たる音がした。
「ん?何だ?」
カーテンを開けた。
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