十五の妄影(もうえい)
やっと目と耳が回復してきた。

妄影に守られながら、僕はゆっくりと目を開く。

…よくもやってくれたな…!

僕の中でふつふつと湧き上がる怒り。

そんな僕の耳に。

「M4A1カービンじゃ歯が立たんか!」

隊員の声が聞こえた。

同時に支援要請の声が聞こえる。

「軽装甲機動車の支援を要請する!軽装甲機動車の支援を要請する!」

その無線で、一台の大型車両が校庭内に突入してくるのが見えた。

モスグリーンの、ジープみたいな大型車両。

多分近くに待機していたんだろう。

軽装甲機動車。

物々しい装甲に包まれた、自衛隊の特殊車両だった。


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