十五の妄影(もうえい)
いつでも手に入れられる。

誰に聞いても教えてくれる。

それだけに、そんな簡単な回答が真実の筈はないと思っていた。

そんなに簡単な答えならば、僕はこんなに苦悩し、絶望する筈はないと。

…しかし、間違っていたと思い知らされる。

答えはいつでも手に届く場所にあった。

ただ、僕がその答えを認めなかっただけ。

…誰も認めてくれない。

誰もが否定する。

誰も理解してくれない。

ずっとそう言い続けてきた。

だけど…僕はどれだけ努力した?

耐えるだけ、我慢するだけで。

僕こそが周りの人間を否定していただけじゃないのか?

僕は認めてもらう為にどれだけの事をした?

理解してもらう為にどれだけの事をした?

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