Je t'aime?



「そのときの借り物競争で、私の紙に書かれてたのが―」



「かりもの、なに?」



「かりものきょうそう。えっとね、コースの途中で紙を拾って、そこに書いてある人や物を探して、それと一緒にゴールするの。わかる?」



私は、大げさなジェスチャーを交えて、説明した。



ウジェーヌは、それをとても楽しそうに見ていた。



「わかった」



私のジェスチャーがおもしろかったのか、ちょっと笑いをこらえてるみたいなのが、気になったけど…。



とにかく説明を続けた。



「その借り物競争で、私の紙に、【ネクタイをしている人】って書いてあってね」



土曜日の朝から、誰がネクタイなんかして体育祭を見に来るもんか。



もう負けた、と半ば諦めてギャラリーを見回したときに目に入ったのが、祐太だった。



「なにも言わずにワイシャツの袖を引っ張って、とにかく走ってもらったの」



「じゃあ、ウィナー?」



「ううん、三位。中途半端でしょ」



私たちは、あはは、と笑った。




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