Je t'aime?
どう答えようか迷っている間に、祐太は通りに向かって歩き始めてしまった。
午後には止んでいた雨がまた少し降り出してきて、私は傘を広げて祐太の隣に並んだ。
「傘、ささないの?」
と言うと、祐太は無言で黒い傘を広げた。
「怒ってるのー?」
私はわざと、甘えるように言ってみた。
「どうして?怒ってないよ」
祐太はいつもこうだ。
きっと怒ってるに違いないのに、絶対に怒ってるとは言わない。
いつも、そう―