Je t'aime?




ある日の放課後、私たちは学校の中庭にいた。



いつもは体育館のステージで練習をしている合唱部に、音楽室を乗っ取られてしまったのだ。



今日はバスケ部の練習試合があってステージを使えないから、という理由だった。



「まあ、いつも音楽室を使わせてもらえてるっていうのが奇跡なんだし、別にいいけどね」



と紗江子が階段を下りながら言った。



相変わらずガミくんの後ろにはウジェーヌがいる。



彼がいることにもすっかり慣れて、私たちの放課後はいつも四人が当たり前となった。



7月の中庭は、とにかく暑い。



まだ梅雨明けもしていないせいで湿気も多く、ジメジメしているのが肌にまとわりついて、気持ち悪かった。



「あっちー、俺コンビニでアイス買ってくるわ」



「あ、私の分も買ってきて!」



「なにがいい?」



「バニラなら、なんでも!」




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