Je t'aime?



「そ、そんなことないって。ウジェーヌは紗江子とだって、仲いいじゃん」



「でも私がひとりのときは、軽く手を挙げて挨拶するだけで、わざわざ来てくれないよ」



止まらぬ紗江子の攻撃に、私の汗も止まらない。



冷房の効いた教室なのに、まるで外に放り出されたみたいに暑く感じた。



「あ、ほら、うわさをすれば」



教室の出入り口に背を向けて座っていた私は、紗江子が指をさしたほうを振り向いた。



そこには、予鈴を聞いて教室に戻ってきたガミくんとウジェーヌ。



ふたりそろって、私たちの席へ向かっているところだった。



「…?あのさ、今日も音楽室行くよな?」



ガミくんは一瞬私の顔を見て「?」の顔をして、あとは紗江子に向かって言った。



なんでそんな赤い顔してんの?って思ったんだと思う。



ガミくんの後ろでウジェーヌも、私の顔を不思議そうに見ていた。




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